関西の議論

車いすで波打ち際に…課題山積〝海のバリアフリー化〟 神戸・須磨海岸で浮かんだ課題

 遠浅化工事についても、今年の海水浴シーズン終了後、東側の約1・4キロについて、32年度夏の完成を目指して進める方針だ。

 だが、車いすを利用する障害者にとって、さまざまな〝バリア〟がまだまだ存在する。最寄り駅のJR須磨駅には海岸と反対側にしかエレベーターはなく、大きく迂回(うかい)しなければ海岸に行けない。途中には踏切もある。

 木戸さんは「ビーチ周辺の環境が整えば、須磨に来る障害者はもっと増えるはずだ」と語る。

 木戸さんによると、8月31日現在で121人が訪れ、「ビーチマットの登場で海に来やすくなった」と好評を博している。一方、「車いすでも使える脱衣所があれば」「平日にも来たい」といった声も寄せられているという。

 木戸さんは「行政も含めて安全面への対応など、より充実させた環境にするにはマンパワーが足りないのが現状。そのためにも、多くの人にビーチマットへの理解を求めたい」と話している。

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