安倍政権考

首相の懐刀・加藤勝信厚労相にいきなり難関の受動喫煙問題 問われる手腕

【安倍政権考】首相の懐刀・加藤勝信厚労相にいきなり難関の受動喫煙問題 問われる手腕
【安倍政権考】首相の懐刀・加藤勝信厚労相にいきなり難関の受動喫煙問題 問われる手腕
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 「受動喫煙を逓減していくということではなくて、これは完全になくすという形で目的をしっかりと持っていただきたいということのお願いをさせていただきました」

 8月24日午前、受動喫煙防止対策の推進に関する加藤勝信厚生労働相(61)への申し入れ後、自民党の三原じゅん子参院議員(52)は記者団にこう述べ、加藤氏が規制慎重派に安易に妥協しないようクギを刺したことを明らかにした。三原氏は規制推進派の急先鋒だ。

 他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙の対策を強化する健康増進法改正案は、先の通常国会に提出されず、対応は秋の臨時国会に先送りされている。塩崎恭久前厚労相(66)が主導した厚労省案は、飲食店について、原則屋内禁煙にした上で喫煙専用室の設置を認め、30平方メートル以下のバーやスナックは規制対象外にした。一方、自民党案は150平方メートル以下の飲食店は「喫煙」「分煙」を店頭に明示すれば規制対象外としている。

 原則禁煙に強くこだわった塩崎氏が8月の内閣改造で交代したことを受け、関係者の間では後任の加藤氏がどう動くかに注目が集まっている。加藤氏は安倍晋三首相(62)の最側近の1人で、これまでも1億総活躍担当相や働き方改革担当相として各省庁にまたがる難しい政策課題の調整を任されてきた。受動喫煙防止対策をめぐっても、安倍首相からは現実的な結果を出すことを期待されている。

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