「防災の日」の1日、従来の巨大地震や津波に加え、近年頻発する豪雨災害を想定するなど各地で多様な訓練が行われた。日本上空に飛来する北朝鮮の弾道ミサイルという新たな脅威にも直面する中、参加者は命を守るための備えに真剣に取り組んだ。
◆どこに逃げれば
8月29日に北朝鮮の弾道ミサイルが襟裳岬上空を通過した北海道。襟裳岬から約200キロ北にある滝川市では午前9時すぎ、消防のサイレンが鳴り、「ミサイルが発射されたもよう」との訓練用メールが流れた。
住民約200人が近くの体育館などに避難。両手で頭を覆うなどして身を守る行動をとった。同市の農業、内野博行さん(72)は「頑丈な建物が近くにない場合、どこに逃げればいいのか」と不安を口にした。
サイレンやメールで情報が適切に伝わるかも確認したが、サイレンが約4分遅れて鳴るミスもあり、同市が原因を調べている。
◆Jアラート合図
「大規模地震や集中豪雨、突然のミサイル攻撃など、いつどこで災害に見舞われるか予想がつかない」
7月の九州北部豪雨の被災地に近い福岡県筑紫野市の藤田陽三市長は、住民ら約500人が参加した防災訓練の冒頭でこう訴え、万全の対策を呼びかけた。