李相哲氏講演詳報(3)

手段を選ばぬ北朝鮮…約束を破り核実験、逃げ癖、2代目の誕生神話も嘘

 例えば金正日が生まれたのは(本当は1941年)ソ連なんですが、北朝鮮は白頭山という、金日成が日本軍と戦った戦火の中で生まれた子供だと、しかも彼が生まれた場所に近い山の高さが216メートル、彼の誕生日の2月16日とぴったり一致する。山の麓にあった金正日が出生した丸太小屋と山の距離は42メートル、つまり生まれ年と一致したらしい。

 現在の金正恩(キム・ジョンウン)は、そういう神話がなかなか作りにくいようだ。彼の母親が在日朝鮮人だということは誰もが知っている。

 多くいる妻の中の一人で、彼女は踊り子だった。朝鮮のしきたりや文化からすれば、踊り子は昔、少し下にみられる風潮があったので、このことからも明らかにできない。そこで彼らが言い出したのは、金正恩は血筋がいいんだと、「白頭山血筋」を受け継いだのだとしました。こうして後継者にはなったが、金正恩にとっては「自分は偉い」とみせる必要がある。

 大胆で戦略家だというストーリーを作るため、大胆にも朝鮮戦争後初めて韓国の領土、延坪島(ヨンピョンド)に砲撃を加えた。北朝鮮の魚雷攻撃で46人の韓国人兵士が亡くなった哨戒艦・天安の事件(2010年3月)も金正恩の指示といわれている。これは北朝鮮国内では彼の英雄譚として残ってます。

 1回目の長距離弾道ミサイル発射を行ったときも、北朝鮮の宣伝では、偉大な将軍様がアメリカの陰謀を砕いたと書き立てた。かように彼は実績作りに一生懸命です。

(李教授の発言は、8月23日、大阪市内で行われたウェーブ産経主催の講演会の時点)

 【プロフィル】李相哲(り・そうてつ) 中国黒竜江省生まれ。中国で新聞記者を経て1987年に来日。上智大学大学院博士課程修了(新聞学博士)。主な著書に産経新聞に「秘録金正日」として連載した「金正日秘録 なぜ正恩体制は崩壊しないのか」(産経新聞出版)、「朴槿恵の挑戦」(中央公論新社)。

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▼産経新聞出版「金正日秘録 なぜ正恩体制は崩壊しないのか」紹介ページ(外部サイト)

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