【カイロ=佐藤貴生】サウジアラビアやエジプトなどが、ペルシャ湾岸の小国カタールと断交してから5日で3カ月となる。サウジなどはカタールのイランに対する融和的な姿勢を断交の理由の一つに挙げているが、カタールは8月下旬、本国に召還していた大使をイランに派遣する方針を示すなど、双方が歩み寄る気配はみられない。イランやトルコはカタール支援の立場を示しており、中東の大国が真っ二つに割れたままの状況が続いている。
ロイター通信によると、カタール外務省は8月下旬、「外交上の任務再開のため、大使がテヘランに戻る」と公式サイトで述べた。入国の時期は明らかにしていないが、あらゆる分野でイランとの関係を強化する意向を示している。
カタールは昨年1月、在テヘランのサウジ大使館が襲撃され、サウジがイランと断交したのに合わせ、イランから大使を帰国させていた。しかし、サウジなどがカタールと断交して以降、イランはカタールの航空機の領空通過を許可したり、食料を運んだりして同国を支援してきた経緯がある。
また、トルコもカタールに食料などを運んで支援している。カタールに軍事拠点を持つトルコのエルドアン大統領は6月、現地への部隊派遣を承認。8月上旬にはトルコ兵約250人が参加してカタールで合同軍事演習を行った。