紅い権力闘争(下)

露骨な側近政治、募る不満 コラム代筆者まで異例の抜擢

 このように自らの意のままに動く手駒をそろえ、軍は習の色に染まりつつあるように見える。

 「主席好(主席閣下)!」

 国家主席として香港を初めて訪問した習が、7月1日の返還20周年式典を前にした6月30日、香港駐留部隊基地で閲兵式を行った。その際、習への呼びかけが指導者に対する通例の「首長」ではなく、前例のない「主席」へと変わっていた。

 リーダー一般を示す首長に対し、軍のトップである中央軍事委主席を兼務する習の立場を強調したとの見方もある。

 しかし、習は従来の軍の体制を崩すことはできても、完全に掌握する段階にまではいたっていないとみる党幹部が多い。

 16年に習の肝いりで行われた軍制度改革は、軍の一部で「マージャン改革」と陰口をたたかれている。北京や瀋陽、成都など7つの軍区を統合した新たな5戦区の名称が「東・西・南・北・中部」とマージャンパイのようだというものだ。

 名称だけではない。「一連の改革により、中国の南西方面が手薄になっている」と指摘する軍専門家が多い。総参謀部など4総部を解体したことも評判が悪い。命令を出す中央の部門を4から15に増やしたことで、現場から「統制が乱れる」といった批判が続出している。

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