紅い権力闘争(下)

露骨な側近政治、募る不満 コラム代筆者まで異例の抜擢

 習が側近を強引に登用する場合、実績不足を補うために担当する地域で国際会議を主催させ、「会議の成功」を理由に昇進させることが多い。昨年9月には浙江省で20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれた。今年9月には福建省で新興5カ国(BRICS)首脳会議が開かれる。

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 習近平によるこうした露骨な側近政治について、党内で不満が膨らんでいる。出世街道を驀進(ばくしん)する習の元部下らは今、党関係者の間で「鶏犬昇天」と揶揄(やゆ)されている。

 漢の淮南王の劉安が修行して仙人になると、残った仙薬をなめたニワトリとイヌも天に昇ったという故事に由来し、取り巻きすべてが出世するという意味のことわざだ。

 「戦闘英雄」の称号を持つ男が、中国人民解放軍の制服組の要に躍り出たことが8月26日に公表された。統合参謀部参謀長に就任した李作成(63)だ。

 李は中国の将軍クラスでは数少ない実戦経験者に数えられる。1979年、25歳で中越戦争に中隊長として参加し、傷を負いながら前線に留まった武勇伝が語り継がれている。