正論

「斬首」恐れる金氏を追い詰めよ 独裁者は命が危ういと判断したときだけ譲歩する モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授・西岡力

 5月末から8月8日にかけて、なんと11回もグアムのB1戦略爆撃機が朝鮮半島上空などに飛来する演習を実施している。B1戦略爆撃機には空対地巡航ミサイルが搭載できるから、「斬首作戦」の主力となりうる。

 金正恩氏は自分を殺すための戦闘機が配備されているグアムを意識し、「火星12」を撃つと脅したのだ。

 北朝鮮の公式声明にB1戦略爆撃機がしばしば言及されていることからも金正恩氏の恐れがよく分かる。しかし、米国が迎撃すると脅し返したので、「火星12」を北海道上空から太平洋に向けて撃ったのだろう。

≪拉致被害者帰国の原則忘れるな≫

 独裁者は自分の命が危ういと判断したときだけ譲歩する。1994年と2002年に米国の軍事圧力を恐れて北朝鮮が2回、大きな譲歩をおこなった。1994年には米朝が最終談判して北朝鮮が核開発凍結という譲歩をした。しかし、その譲歩の中に日本人拉致被害者帰国は含まれていなかった。

 それなのに村山富市政権は米国の求めに応じて朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)への10億ドル支出に同意してしまった。2002年には北朝鮮が米国の圧力をかわすため日本をカードとして使ったので、北は拉致を認めて5人を帰すという大きな譲歩をした。

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