正論

「斬首」恐れる金氏を追い詰めよ 独裁者は命が危ういと判断したときだけ譲歩する モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授・西岡力

 しかし、金正恩氏が意識し続けているのは、トランプ氏のツイッターの書き込みではない。米軍の「斬首作戦」だ。ここで、それについて解説しておく

≪北が警戒強めるB1爆撃機≫

 従来、米韓軍は北朝鮮の先制攻撃の兆候を掴(つか)んだら、長距離砲やロケット砲基地、ミサイル基地などの攻撃能力を無力化するという作戦計画5027を持っていた。しかし、それだけでは撃ち漏らした攻撃能力で米韓軍側も被害を受けると予測されるため、「首」に当たる最高司令部と司令官の金正恩氏、そしてその命令を伝える通信手段をも攻撃対象に加えるというのが「斬首作戦」である。

 最近作られた作戦計画5015には「斬首作戦」が含まれているという。8月21日から始まった米韓軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン」でも5015が試されるという。

 「斬首作戦」に動員される(レーダーに捕捉されにくい)ステルス性の高いB1戦略爆撃機が、グアム島の米軍基地に配備されている。韓国の文在寅大統領は朝鮮半島で武力攻撃を行うときは「必ず韓国の同意が必要だ」と強調するが、米国がグアムにある戦力を使って対北攻撃をする場合は、理論的には韓国の同意は必要ない。

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