福島県須賀川市の議会事務局が共産党機関紙「しんぶん赤旗」の購読料を市議らから集めて職務として共産党市議に手渡していたことが30日、分かった。事務局が明らかにした。地方議会で公務員による政党機関紙の集金代行が確認されたのは初めて。事務局では赤旗以外の政党機関紙の集金業務は行っておらず、特別扱いが浮き彫りになった。
事務局によると、市議4人の依頼を受けた事務局が少なくとも平成29年1月以降、赤旗購読料を控除して議員報酬を支給する一方、集金を担当する共産党の市議に控除分の購読料を支払う集金代行業務を毎月、行ってきた。
事務局職員は毎月、市の庁舎内で封筒に入れた控除分の購読料を共産党の市議に手渡していた。集金代行に対する報酬は赤旗側や市議4人から受け取っていなかった。
事務局は今年6月、市議4人から「議員報酬をもらう際の購読料の控除はやめる」と申し出があったため、同月以降、集金を行っていない。
事務局は「購読料の控除や現金の手渡しは議員報酬に関する事務だ。職務として実施してきた」としている。集金代行を問題視する渡辺康平市議は「事務局にいる公務員の仕事ではない。集金を求める市議も悪い」と主張している。
市庁舎管理規則によると、事務局の場合「庁舎での物品販売、その他これらに類する行為」には市行政管理課長の許可が必要だが、市は赤旗の集金代行について許可案件とみなしていなかった。