浪速風

これでも避難訓練を「戦争準備」と言うのか

北朝鮮のミサイル発射で作動した全国瞬時警報システム。テレビ各局の画面が「発射情報」に切り替わった=29日午前6時すぎ
北朝鮮のミサイル発射で作動した全国瞬時警報システム。テレビ各局の画面が「発射情報」に切り替わった=29日午前6時すぎ

避難行動は、まず危険を知らせる情報が伝えられるところから始まる。だが、危険を感じても直ちに避難するわけではない。一般に危険は実際よりも過小に評価される傾向がある。心のメカニズムは、異常を異常と感じずに、正常の範囲内のものとして処理するようになっている。「正常性バイアス」という。

▶今朝の北朝鮮による弾道ミサイル発射を、政府は全国瞬時警報システム(Jアラート)で速報し、12道県に避難を呼びかけた。携帯電話の警報音が鳴ってさぞ驚いただろうが、はたしてどれだけの人が避難しただろう。第一、とっさにどこへ逃げ、どう身を守ったらいいかわからない。

▶危機は格段に高まった。独裁者の狂気は、もはや脅しにとどまらず、核や化学兵器の攻撃もありうると考えなければなるまい。万一の場合に「正常性バイアス」で逃げ遅れたら…と思うとぞっとする。なのに避難訓練を「戦争準備だ」と反対する人々がいる。何をか言わんや。