自作再訪

森山大道さん『写真よさようなら』 この世界のペラペラな表面だけを撮り続ける

 それがすぐ終わることになってさ、もうやめるというミーティングで、僕だけ「嫌だ」って言ったんだ。総括集に『写真よさようなら』の前哨戦みたいなものを入れてるんだよ。僕の中では2つはつながってる。日本の写真のありように違和感があって、変革しなきゃいけないって生意気に思ってた。いろいろ含めて「さようなら」になった。

 〈『写真よさようなら』(72年)は308ページの大判写真集。ピントが合っていなかったり何が写っているのか判然としなかったり、そんな写真が続く、パンクロックのような作品だ〉

 当時はフィルムだったから、最初に空写しするじゃない。そのときパッと写っちゃったりする、それも写真だよね。あと中平が暗室で捨てたのを拾ったりさ。そういうものばっかり集めて作った。良くも悪くも過剰だったね。当時ほとんど反応はなかった。なにこれって感じ。ただのデザインだっていう人もいたし、写真の自殺だっていう人もいた。荒木(経惟)さんだけは「嫉妬した」って言ってくれた。

 〈同書の刊行後、スランプに陥る。82年の写真集『光と影』ぐらいまで迷っていたと述懐する〉