自作再訪

森山大道さん『写真よさようなら』 この世界のペラペラな表面だけを撮り続ける

【自作再訪】森山大道さん『写真よさようなら』 この世界のペラペラな表面だけを撮り続ける
【自作再訪】森山大道さん『写真よさようなら』 この世界のペラペラな表面だけを撮り続ける
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 写真よさようなら。写真界のトップランナー、森山大道さん(78)が30代のころに出版した写真集のタイトルだ。先鋭的な写真同人誌「プロヴォーク」に参加して、「アレ・ブレ・ボケ」と呼ばれる作風で当時の写真界を揺るがし、行き着いたのが離別の言葉。自己否定ともとれる挑発的な作品だが、森山さんは「300冊ぐらい写真集を出してきたけど、どうしても1冊って言われたら、これかなぁ」と語る。(聞き手 篠原知存)

 1960年代の中頃から70年代って、寺山修司さんの劇団があったり、写真に限らず熱気に包まれていたよね。そういう空気と僕ら写真家も無縁ではなかった。わーっと写真にのめり込んでた。そんな中でプロヴォークに入ったんだ。

 〈プロヴォーク。英語で挑発を意味するこの同人誌は、日本写真史の節目を成す存在。写真家の中平卓馬さんや高梨豊さん、評論家の多木浩二さんらが68年に創刊。森山さんは2号から加わり、3号と総括集『まずたしからしさの世界をすてろ』(70年)を刊行して活動を終える〉

 仲の良かった中平に誘われたんだよ。1号を見たときは、面倒くさいなこの本って思ってた(笑)。僕はずっとノンポリだしね。ただ、やろうとしていることへのシンパシーはあった。