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漫画家、モンキー・パンチさん(80)の「ルパン三世」生誕50周年の今年、初の劇場版長編アニメ「ルパン三世 ルパンVS複製人間」(1978年)が、4Kリマスター(高解像度高画質)化の上、劇場の席で光や風、振動などを味わえるMX4D作品として9月1日から公開される。39年がたった今でも根強いファンが多い作品だが、監督、脚本、絵コンテを担当した吉川惣司監督(70)は「当時は誰もほめてくれなかったのに」と当惑気味だ。
公開当時、ほめてくれた人はほとんどいなかった
この作品は、ルパン三世と謎の人物、マモーの対決を描いた物語。ルパン(声・山田康雄)は峰不二子(同・増山江威子)の依頼で永遠の命を得られるという伝説の「賢者の石」を手に入れる。しかし、不二子はルパンを裏切り、謎の人物、マモー(西村晃)の元へ走る。彼は自らのクローンを製造し、1万年もの間、生き続けてきた男だった…という設定だ。
クローン技術などハードSF的な要素や前衛的な映像手法、政治的なネタやテレビでは不可能なほど官能的な不二子の描写など、大人向けの作風が話題を呼んだ。
しかし、吉川監督は、「公開当時、ほめてくれた人はほとんどいなかった。敗北感でいっぱいでした」と苦笑する。
吉川監督は、テレビの第1シリーズの第1話と最終回で絵コンテを担当したことなどが縁で、劇場用長編第1作の監督を任された。