野口裕之の軍事情勢

習近平氏が人民解放軍「瀋陽軍区」に怯えている! 核の原料・技術を平壌に流す?最精強集団

日米ばかりか北京にも核ミサイルの照準を合わせる中国軍

 しかも、その核戦力は日米ばかりか北京にも照準を合わせている可能性がある。

 理由はこうだ。

 (1)北京が北朝鮮崩壊を誘発させるレベルの対北完全経済制裁に踏み切れば、最精強の「瀋陽軍区」はクーデターを考える。

 (2)他戦区の通常戦力では鎮圧できず、北京は旧成都軍区の核戦力で威嚇し恭順させる他ない。

 (3)「瀋陽軍区」としては、北朝鮮との連携で核戦力さえ握れば、旧成都軍区の核戦力を封じ、「瀋陽軍区」の権限強化(=対北完全経済制裁の中止)ORクーデターの、二者択一を北京に迫れる。

 習国家主席が進める軍の大改編は、現代戦への適合も視野に入れるが、「瀋陽軍区」を解体しなければ北朝鮮に直接影響力を行使できぬだけでなく、「瀋陽軍区」に寝首をかかれるためでもある。

 「瀋陽軍区」が北朝鮮と北京を半ば無視してよしみを通じる背景には出自がある。中国は朝鮮戦争勃発を受けて義勇軍を送ったが、実は人民解放軍所属の第四野戦軍。当時、人民解放軍で最強だった第四野戦軍こそ瀋陽軍区の前身で、朝鮮族らが中心となって編成された「外人部隊」だった。瀋陽軍区の管轄域には延辺朝鮮族自治州も含まれ、軍区全体では180万人もの朝鮮族が居住する。いわば、「瀋陽軍区」と北朝鮮の朝鮮人民軍は「血の盟友」として今に至る。金正日総書記(1941〜2011年)も2009年以降、11回も瀋陽軍区を訪れた。

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