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スマホの占いアプリで人気の流光七奈さんは、コミックエッセー「ダンナさまは幽霊」(イースト・プレス)を来月出版する。
子供の頃から霊が見えるという流光さん。一昨年、約20年連れ添い、がんにより50歳で死去した夫が「幽霊」として家に居続けたとする2年間をつづっている。恐怖はない。
「飼い猫たちも夫の幽霊の足元で丸くなるなど、生前と変わらず楽しく暮らせました」。あの世の様子を教わり、生活や仕事を心配されたり、男友達を家に招いてすねられたり…。気持ちの整理を付けた夫は三回忌の日に、「天国で会おう」と旅立ったという。
東京・新宿で月約50件の占いや鑑定にあたっている流光さん。「死んだ身内の気配に『成仏できていないのでは』と苦しみ、相談に来られる方が多い。悲しみにくれる遺族を心配して、寄り添っている霊もいます」と流光さん。自分の体験を出版するのは、「私の事例を示すことで、ラクになってもらいたいから」という。
「どんなに悲しくても、生きている人の時間は止められず、立ち止まることはできない。寿命が来たとき、楽しい報告ができるように、精いっぱい生きてゆきましょう」
おばけや幽霊は、生きている人の心の中で生きている。
亡くなったおばあちゃん(樹木希林)が孫娘にだけ見える幽霊・猫になって、イタズラしながら家を見守っている「三井のリハウス」のCMも、筆者の周りでとても好感度が高い。