無登録で象牙取引疑い 上野の貴金属商社長らを25日に書類送検 警視庁

 ワシントン条約で国際取引が規制されている象牙を無登録のまま取引したとして、警視庁生活環境課が種の保存法違反容疑で、東京・上野の貴金属商「フローレス」の30代の男性社長や従業員、客ら計10人と法人としての2社を25日に書類送検する方針を固めたことが24日、捜査関係者への取材で分かった。象牙の違法取引業者は国内で相次いで確認されており、日本が国際的な批判を浴びる恐れがある。

 象牙は1990年にワシントン条約で国際取引が原則禁止され、国内でも種の保存法で登録が義務付けられている。しかし、入手困難となったことで投機商品化していることや監視態勢の不備、インターネットオークションなどによって象牙の違法取引は横行しているとされ、捜査当局が警戒を強めていた。

 捜査関係者などによると、社長らは顧客らから無登録の象牙計9本を引き取った疑いが持たれているという。

 象牙の所有者は売買に先立ち、取引が禁止された以前に所有していたことを証明する書類を「自然環境研究センター」(東京)に提出し、環境相へ登録する必要がある。しかし社長らは、象牙所有者らに「登録を代行する」などと説明して象牙を預かり、象牙の需要がある印鑑製造業者などに販売し、利益を得ていたとみられる。

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