浪速風

甲子園は「あきらめない」を教えてくれた 打高投低より最後まで試合を捨てない粘りが印象に

試合に敗れ、上を向く中村奨成選手(中央)ら広陵ナイン=23日、甲子園球場(水島啓輔撮影)
試合に敗れ、上を向く中村奨成選手(中央)ら広陵ナイン=23日、甲子園球場(水島啓輔撮影)

高校野球が閉幕すると、夏も終わりである。今年は昭和60年の清原和博選手(PL学園)の記録を32年ぶりに更新した中村奨成捕手(広陵)をはじめ、大会史上最多の本塁打が飛び交った。打高投低だったが、それより最後まで試合を捨てない粘りを見せてくれたのが印象に残った。

▶最終回の、それも2死からの得点が多かった。大差をつけられても「あわや」と思わせるまで追いつめる。逆転、また逆転のシーソーゲームもあった。甲子園には常連の強豪・名門と、新鋭校の力の差はなかったし、地域差も感じなかった。だから試合終了まで目が離せなかった。

▶高校野球を観戦し続けた阿久悠さんの「甲子園の詩」に、こんな一編がある。「まだまだと踏みこたえたら/いつの間にか/力が蘇り 運がこちらを向き/あの厳しい練習までもが/貴重なものに思えて来る」。球児たちはどんな苦境でもあきらめない心を学んだ。いや、教えてくれたと言った方がいい。