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アニメやゲームなどサブカルチャーのマニアには人気の店でも、警察は見逃してくれなかった。無許可で女性従業員に客を接待させたとして、大阪・ミナミの繁華街にある人気コスプレバーが7月下旬、大阪府警に摘発された。セーラー服やメイド服といったコスプレをした女性従業員と昼間から明け方まで一緒にゲームやカラオケを楽しめると、常連客らでにぎわっていた。府警は、特定の客と長時間談笑すれば風営法の許可が必要な「接待」に当たるなどと店側を指導したが、従わなかったとして経営者の男(39)の逮捕に踏み切った。ミナミや日本橋界隈(かいわい)で同様のバーやメイドカフェなど計26店を経営し、〝サブカル飲食業界〟では有名な「やり手」だったという男。驕(おご)れる者は久しからず-。摘発後、男が手がけた多くの店は閉店や休業に追い込まれた。
誓約書サインも違法継続
府警南署の捜査員は1月、インターネット上のサイバーパトロールをしている途中、ある店のホームページに目をとめた。大阪市中央区宗右衛門町のコスプレバー「カルテット」だった。
「絶対に接待行為をしているはずだ」。ホームページで紹介された店のたたずまいや店内の様子などから、捜査員は違法状態がないか調べる必要性があると判断した。
情報を集めると、同店ではコスプレをした女性従業員がカウンター越しに客と長時間談笑したり、客と一緒にカラオケを楽しんだりといった「接待」をしていることが把握できた。風営法上の接待行為が許されるのは、風俗営業の許可がある店だけ。許可のない同店は違法状態といえた。