もう一筆

相次ぐ不手際…東電は意識改革を

 重要施設で警報が鳴った。いくつも並ぶ計器のうち、1つだけが異常を感知したようだ。こんな時、計器の故障や誤動作の可能性、現場の確認…などをできる限り調べて、対応するのが、ごく自然な発想だと思う。しかし、東京電力は違った。

 福島第1原発で今月2日、地下水くみ上げのサブドレン(井戸)水位が低下し、原子炉建屋内の汚染水が漏洩(ろうえい)する恐れが生じた。計器の1つは水位低下を示しているが、他の計器は変わりない。現場確認もせず、「計器の故障」と片付けたが、この判断は間違っていた。

 「故障で済まされる問題ではない。緊張感、危機意識が足らない」と、内堀雅雄知事が厳しく批判するのも当然だ。そもそも、多くのリスクを抱える原発で、計器故障を軽微な出来事と考えることが理解できない。

 原発事故からまもなく6年半。この間、人為的ミスによるトラブルや公表遅れなど、東電の不手際は「あまたあった」(内堀知事)。その都度、東電は再発防止と「信頼回復」を誓うが、改善は感じられない。われわれの素朴な感覚と、東電の意識の間に大きなズレがあり、その溝は時間とともに大きくなっていると思えてならない。

 この隔たりをなくさぬかぎり、「福島復興のために生かされている会社」は、存在意義を問われかねない。東電は肝に銘じ、意識改革に大なたを振るう必要がある。(竹中岳彦)

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