クローズアップ科学

「線状降水帯」は全国で起きる 連続して襲う集中豪雨、予測は困難

仕組みは未解明

防災上の課題は正確な発生予測が困難なことだ。危険性の高い場所を広域で示すことは可能だが、ピンポイントの予測はできないという。

防災科学技術研究所の加藤亮平研究員は「発生のメカニズムが解明しきれていないためだ」と話す。条件がそろっても発生するとはかぎらず、未知の仕組みが存在する可能性が高い。

観測データのシミュレーション解析で発生を予測しようとしても、基になるリアルタイムのデータが不十分という。地表のデータは気象庁のアメダス(地域気象観測システム)で比較的充実しているが、積乱雲や線状降水帯は3次元的な存在だ。上空を探るレーダーや衛星の観測網は密度が低い上に精度が足りず、立体的な把握が難しい。

防災科研はこうした課題を解決して高精度な予測を実現するため、雨のほか風も観測できるレーダーや大気中の水蒸気量が分かる装置、積乱雲になる前段階を見る雲レーダーなどの開発を急いでいる。

加藤氏は「降り出してからの避難はまず無理。日頃から大雨警報に注意し、少しでも早く逃げられるように準備しておくことが大切だ」と話している。

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