書評

批評家、西村幸祐が読む『誰が第二次世界大戦を起こしたのか』渡辺惣樹著 米大統領の不本意

 さらに《第二次大戦の若者の犠牲は犬死だった。ルーズベルトがあの大戦に干渉しなければ世界はより平和だったはずだ、という歴史観はアメリカの為政者にとってタブーとなった》と指摘する。

 確かに戦後72年がたち、日本が安倍政権の下で世界的な地位を向上させて敗戦国からの脱皮を図る過程で、豪州で日米豪3カ国の軍事訓練、インド洋で日印米3カ国海軍の共同演習が行われた光景を見て、日米戦争とはいったい何だったのか、とはなはだ疑問に感じた。

 南シナ海に覇権主義的侵略を行う中国共産党と、核ミサイルで世界を挑発する北朝鮮。それらは結局、FDRとスターリンによって形成された、20世紀の悪夢の亡霊に他ならない。日本の敵は先の大戦と現在でも変わっていない。本書はそんな歴史の真実を明確に指摘してくれる。(草思社・1700円+税)

 評・西村幸祐(批評家・ジャーナリスト)

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