宇宙からの「謎の電波信号」は、地球外生命体が由来か否か--発見から40年を経て手がかりが見つかる

 1977年に観測された宇宙からの謎の電波信号「Wow!シグナル」。その発信源が長らく謎に包まれていたことから、地球外知的生命体の存在を示すもの--との意見も根強くあった。ところが発見から40年を経て、その謎を解明する手がかりが見つかった。

地球外知的生命体探査(SETI)が有名になるきっかけとなった「Wow!シグナル」という電波信号をご存知だろうか? それはこの広大な宇宙のどこかで繁栄しているであろう、地球外知的生命体の存在を示唆する最も有力な手がかり--もとい、そう思いたくなるほど長い間、その起源が見つからなかった宇宙からの電波信号である。

電波望遠鏡を17年間も悩ませた「異常信号」の原因であった電子レンジ[日本語版記事]と同じように、天文学的な謎はいつか解き明かされるものだ。フロリダ州セント・ピーターズバーグ・カレッジの天文学者であるアントニオ・パリス教授の研究によると、「Wow!シグナル」の犯人は宇宙人--ではなく、太陽を周期的に周回する彗星かもしれないという。

1977年、謎の電波シグナルが観測された

1977年8月15日、かつて米オハイオ州にあったビッグイヤー電波望遠鏡で、地球外文明を捜索するために観測していたジェリー・エーマンは、いて座の方向から72秒にわたる非常に強い信号を受信した。これに驚いたエーマンは、プリントアウトされたデータの該当部分を赤く囲って「Wow!」と表記した。

それは小惑星や惑星からのものではなく、恒星やパルサー、そして地球由来のものでもない。しかも、いくら観測を重ねても同シグナルを検出できたのはただの一度きり。この謎をめぐり、これまで数々の天文学者たちが電波の起源究明に努めてきたが、残念なことにそのどれもが決定的な説明や証拠に欠けるものだった。

観測された「Wow!シグナル」の周波数は1%2C420MHz。それがSETIに採用されることの多い水素線と同じ周波数だったのは、はたして偶然だったのだろうか? 

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