産経抄

米国には武士道が必要だ 8月18日

 ▼「武の道とキリスト教は矛盾しませんか」。笹森さんは何度も同じ質問を受けてきた。「どちらも人の死に方、生き方を真剣に問う『道』です」。著書の『武士道とキリスト教』(新潮新書)のなかで答えている。

 ▼明治期に入ってきたキリスト教を率先して受容したのは旧武士階級だった。その一人である新渡戸稲造が英文で発表した『武士道』は、欧米でベストセラーとなった。「最も剛毅なる者は最も柔和なる者である」。新渡戸は武士道の徳目の一つとして、「仁(惻隠(そくいん)の心)」を挙げている。

 ▼米国南部の町で白人至上主義団体と反対派が激突した事件は、波紋を広げている。憎悪が渦巻く今の米国にこそ、武士道が必要ではないか。

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