ビジネス解読

中国で急成長するシェアリングエコノミー 紛失、売春斡旋疑惑など綻びも

 7月26日配信の人民網日本語版によると、中国全土で宝飾品のシェアリング業者が10社近く開業しており、業者は「高級ジュエリーは、もはや手の届かない存在ではない」などとうたっている。見知らぬ人同士でシェアするという本来のコンセプトとかけ離れたレンタル業者がシェアリングをうたっているのは「何でもあり」の中国ならではだ。

 人民日報の国際版「環球時報」が、前のめりの報道姿勢を見せている。5月20日、「3つの理由から私たちは中国こそがシェアリングエコノミーの未来だと確信した-米メディア」と題する記事を配信。米ブルームバーグの記事を引用しつつ、中国のシェアリングエコノミーの可能性について、(1)(2000年代に成人した)ミレニアル世代がEC(電子商取引)に積極的で、高齢者も節約好き(2)躊躇(ちゅうちょ)なく消費習慣を変えられる(3)モバイル決済が普及している-と理由を列挙した。記事の最後では、「新たなシェアリングエコノミー関連サービスはシリコンバレーではなく、中国から生み出されることになるだろう」と、バラ色の将来を描いている。

 中国政府も迅速な支援を打ち出している。16年には、「インターネット予約タクシー経営サービス管理暫定弁法」を制定し、一定の要件の下で配車サービスを容認。利用者のマナー違反が問題になっているシェアサイクルでも、政府の指導の下、業者が協定を結び、マナーの悪い顧客に関する情報を共有するようにした。マナー違反を行った顧客は他の業者のサービスも利用できなくなるため、締め付け効果は大きい。

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