茨城夏の乱 8.27知事選

浮かび上がる3つの対立軸

 ■多選の是非/橋本氏VS自民の対立/東海第2原発再稼働

 7選を目指す現職の橋本昌氏(71)に対し、いずれも新人の大井川和彦氏(53)、鶴田真子美氏(52)が挑む知事選の第一声からは、3つの対立軸が浮かび上がった。

 第1点は橋本県政への評価と多選の是非だ。

 「24年間の延長ではなく、新しい発想で戦う」

 「やる気と若さと実行力のある人間が必要」

 大井川氏は直接的な言及こそ避けたが、橋本県政の継続阻止と刷新を呼びかけた。応援する自民党の額賀福志郎元財務相は「茨城を停滞させるのか」「チェンジ橋本!」と大井川氏を後方から支援。鶴田氏も「もはやトップを代えないと、命第一の県政にはならない」と交代を求めた。

 これに対し橋本氏は、企業誘致や2020年東京五輪サッカー競技のカシマスタジアム(鹿嶋市神向寺)への誘致などの24年の実績を強調し、県政の継続の必要性を訴えた。

 2点目は、橋本氏と、大井川氏を推薦する自民党との対立だ。橋本氏は「東京(政府・与党)が盛んに知事選に介入、干渉してきている。知事選で勝って(内閣支持率が)上がると考えているのか。正常ではない」と批判。自身は「県民ファースト」と強調した。

 一方、自民党の梶山弘志地方創生担当相は大井川氏の出陣式で「選択するのは県民一人一人だ。政党が推薦して決まるものではない」と述べたが、橋本氏と近い関係とされた公明党が党本部の意向で大井川氏の推薦を決めた経緯がある。公明党の山口那津男代表は早速、大井川氏を支援するため日立市に入った。

 3点目が日本原子力発電東海第2原発の再稼働だ。鶴田氏は第一声で「知事選に挑む第一の目的は東海第2原発の廃炉の実現」と訴えたように、脱原発を前面に打ち出してきた。

 これに橋本氏は「子供を抱えたお母さんの言葉に応えるためにも再稼働は認めない方針でやっていきたい」と明言。7月の公約発表時には「安全性と避難計画の実効性が認められない限り認めない」と条件を付けていたが、告示を迎え、再稼働を認めない方向に舵を切った。大井川氏は再稼働に言及しなかった。(上村茉由)

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