東大寺のハングル落書きは人名か 補色で修復へ

東大寺のハングル落書きは人名か 補色で修復へ
東大寺のハングル落書きは人名か 補色で修復へ
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 奈良市の世界遺産、東大寺の法華堂(三月堂・国宝)で見つかった落書きで、ハングルらしき文字は人名とみられることが9日、奈良県などへの取材で分かった。落書きは塗料で補色すれば目立たなくなるといい、県は近く修復に取りかかる。

 県教委文化財保存課によると、落書きは先のとがった硬いもので削るように書かれており、文字の線の幅は約1ミリ。周りの色と合わせた塗料で補色することで修復可能だという。

 落書きは8日午前8時半ごろ、法華堂周辺の清掃をしていた寺の職員が発見、通報した。清掃は毎朝行っているが、気付いたのはこの日が初めてだったという。東大寺では昨年11月、大仏殿内で油のような液体がまかれた際に一斉点検を実施しているが、その後いつ落書きされたかは不明という。

 現場近くには、法華堂の方向を向く形で防犯カメラが設置されており、県警が映像の解析を進めている。

 東大寺の森本公穣庶務執事は「(法華堂を)お守りする立場として、申し訳なく残念な思い」と悔やんだ。荒井正吾知事も「人名らしいということで、いたずら書きの類いと思う。マナーの中で参拝すべきで、絵馬に書いてもらいたかった」と述べた。

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