阿比留瑠比の極言御免

10年前から続く印象操作 憲法改正を目指す保守派はメディアが問題視、ハト派なら目こぼし

衆院予算委員会で安倍晋三首相の答弁を映すテレビカメラのファインダー=国会(酒巻俊介撮影)
衆院予算委員会で安倍晋三首相の答弁を映すテレビカメラのファインダー=国会(酒巻俊介撮影)

 延々と続く森友・加計学園関連報道などを通じ、メディアが恣意的な切り貼りや「報道しない自由」の行使、レッテル貼りと印象操作などあらゆる報道技法を駆使して、気に食わない安倍晋三政権の倒閣運動を展開してきたことは、これまで何度も指摘してきた。

 ただ、こうしたメディアのやり方は、今に始まったことではない。10年前の第1次安倍政権当時も、社会保険庁(現日本年金機構)の年金記録紛失が明らかになった「消えた年金問題」や、「政治とカネ」の問題をめぐって、メディアは安倍政権たたきに異様な情熱を注いでいた。

「年金問題」当事者は

 「消えた年金問題」は、社保庁の長年にわたる怠業体質が引き起こした失態であり、本来は歴代政権が等しく監督責任を負うべきものだろう。安倍政権はむしろ、既得権益維持を図る社保庁の労働慣行を改め、「解体的な出直し」を訴えている側だった。

 また、年金記録を紛失した当事者は、民主党を支持してきた公務員労組員たちであり、民主党こそが深い反省を示すべき場面だったはずである。

 実際、フジテレビの番組「報道2001」による平成19年6月7日の世論調査の時点では、「問題の責任は誰にあるか」との問いへの回答は(1)歴代社保庁長官(64・2%)(2)社保庁職員(14・2%)(3)安倍首相(6・6%)-の順で、国民は比較的冷静だった。

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