小野寺五典防衛相は10日の衆院安全保障委員会で、北朝鮮が米領グアムを狙って弾道ミサイルを撃った場合、集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」に認定し、自衛隊のイージス艦が迎撃することは法的に可能だとの認識を示した。「武力行使の新3要件に合致すれば対応できる」と述べた。
小野寺氏は、自衛隊は守りに徹し、米軍が打撃力を行使する日米同盟の役割分担に言及、「双方の役割があって日本の抑止力が高まる。米側の抑止力・打撃力が(攻撃を受けて)欠如することは、日本の存立の危機に当たる可能性がないとはいえない」と語った。
また、北朝鮮がグアムの「包囲射撃」と日本上空通過を予告したことについては「万が一の事態に備え、日ごろからしっかりした態勢を整えている」と強調。10日夜には都内で記者団に対し、名指しされた3県付近への地対空誘導弾パトリオット(PAC3)展開について「状況を把握しながら対応したい」と述べ、検討する考えを示した。
日本のミサイル防衛(MD)は、イージス艦に搭載した海上配備型迎撃ミサイル(SM3)で破壊を試み、撃ち漏らしたらPAC3で対応する。ただ、高い高度の弾道ミサイルをイージス艦から確実に迎撃するためには、日米が共同開発中の新型ミサイル「SM3ブロック2A」の実戦配備を待つ必要がある。