産科医自殺に労災認定 都内病院、残業173時間超

 東京都内の総合病院の産婦人科に勤務する30代半ばの男性医師が平成27年7月に自殺したのは長時間労働により精神疾患を発症したためとして、品川労働基準監督署(東京)が労災認定したことが9日、分かった。男性は亡くなるまでの半年間で5日しか休めておらず、遺族側弁護士は「医師の過重労働をなくすため、国は早急な対策をすべきだ」と訴えた。

 弁護士によると、男性は22年に医師免許を取得。25年4月から同病院の産婦人科で研修医として勤務していた。分娩(ぶんべん)や手術、月4回ほどの当直勤務などで月150時間を超える長時間労働が続き、精神疾患を発症。27年7月12日、職場に姿を見せず失踪し、自殺しているのが見つかった。遺書は見つかっていない。両親が昨年5月に労災を申請した。

 労基署の認定では、男性が精神疾患を発症する前の1カ月間の時間外労働は173時間を超えていた。弁護士によると、男性は病院近くの寮に住んでおり、呼び出しを受けたり、職場に30時間以上拘束されたりすることもあったという。

 男性の両親は「息子は産婦人科特有の緊張感や正常に出産させることを当然とする一般常識などの負担から解放されることはなかった。医師も人間であり、労働者である。労働環境が整備されなければ、このような不幸は繰り返される」とするコメントを出した。

 病院は取材に対し、「今の段階では、何も答えられない」としている。