経済インサイド

宗教対立インド食肉業界に打撃 ヒンズー至上主義政権が牛取引で規制 相次ぐ襲撃事件も

 インドのデータ・ジャーナリズム市民グループ「インディアスペンド」の調査によると、2010年から今年6月25日までの間に、63回の牛肉(水牛を含む)に関連した襲撃事件があり、28人が殺害された。事件の97%はモディ政権発足後に起き、約半数の32件は、モディ氏与党のインド人民党(BJP)が州政権を握っている州で発生した。今年に入ってから、こうした事件は20件も起きている。

 死亡した28人のうち、大半の24人は牛を神聖視しないインドで少数派のイスラム教徒で、ヒンズー教徒、シーク教徒、キリスト教徒も暴力の標的になった。

 ラムさんは「最高裁による法令の差し止め命令はあっても、恐ろしくて、とても牛を取引できる雰囲気ではない」と表情を曇らせた。ラムさんの息子も隣接のハリヤナ州で乳牛を運搬する許可証を所持していたところ、暴徒に襲撃され、3000ルピー(約5000円)を強奪されたという。

 「牛の運搬業者は、危険だからといって通常の2倍の値段を求めている。これでは仕事にならない」と不満をぶちまけた。

 最高裁に法令の差し止めを求めた原告の一人、デリー食肉業協会のアルシャド・ハビブ・クレシ会長も「食肉の仕事は今、干上がっている」と話す。

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