築地市場火災

出火前から炭化か 火元ラーメン店 長年の調理で

 東京・築地の築地場外市場で7棟が焼けた火災で、出火元とみられるラーメン店の厨房(ちゅうぼう)の壁が、長年にわたる調理の熱で経年劣化し、炭のような状態になっていた可能性があることが5日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁は火災の前から同店の壁の内部が燃えやすい状態になっていたとみて調べている。

 火災は調理中の熱が壁に伝わり、内部に熱が蓄積して発火する「伝導過熱」が原因とみられている。

 捜査関係者によると、同店では防火措置としてステンレスの板を張った木製の壁から、数センチの距離でこんろを使用。スープの仕込みなどで長時間、ずんどう鍋を加熱していたといい、日常的に壁の内部に熱が蓄積していたとみられる。実況見分の結果、こんろ脇周辺の壁は内部が乾燥して炭のような状態になっており、長年の熱で劣化していた可能性が高いという。

 ラーメン店の従業員らは、火災のあった3日もこんろを使用し、午後4時前にこんろの火を消して退店したという。一方、隣接する別の店の従業員がその30分ほど前に「焦げ臭いにおいがした」と話しているといい、警視庁が出火時間の特定を進めている。

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