朝鮮学校を高校授業料無償化の対象から除外したのは不当な差別に当たるかをめぐり、司法の判断が割れている。先月19日の広島地裁判決が学校側の請求を全面的に退けた一方、28日の大阪地裁判決は国の処分が裁量権の乱用に当たるなどとして学校側勝訴の判決を言い渡した。
筆者は、朝鮮学校に対する在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)や北朝鮮本国の影響力を認定した広島地裁判決の方が、常識的で妥当だと思うが、そこを論じるのは別の機会とする。
ただ現在、韓国で戦時中の朝鮮人徴用工問題が無報酬の強制連行・強制労働であるかのようにねじ曲げられ、反日映画が制作・公開されるなど再燃していることもある。そこで、在日韓国・朝鮮人たちがどうして多数、日本にいるのかを改めて考えてみたい。
徴用労務者は61万人中245人
断っておくが、いわゆる「在日」の人々をいたずらに排斥したり、差別意識をあおったりするつもりは毛頭ない。だが、彼らを強制連行被害者の子孫だとみる勘違いや誤解、つまり「強制連行神話」がいまだに根強いと感じている。
実際はどうなのか。今年5月19日付の当欄でも指摘したように、昭和34年の政府調査(外務省発表)によると、当時約61万人いた在日朝鮮人のうち、徴用労務者として日本に来た者は245人にすぎない。裏を返せば、ほとんどすべての在日韓国・朝鮮人は自らの意思や家族に連れられるなどして日本に渡った人々の子孫だということである。
30年6月18日の衆院法務委員会では、韓国からの無登録の入国者と、その犯罪行為が議論されている。その中で、小泉純一郎元首相の父である小泉純也法務政務次官は、こうはっきりと答弁している。