ビジネスの裏側

ギャンブルの街をエンタメ、リゾートの地に 「ラスベガスを変えた男」が大阪・夢洲で挑む勝負

米ラスベガスのカジノ。1990年代以降はショーなどのカジノ以外も大きな収益源になり、IRとして発展した
米ラスベガスのカジノ。1990年代以降はショーなどのカジノ以外も大きな収益源になり、IRとして発展した

 大阪府などが大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)に誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の開発・運営事業者に米ウィン・リゾーツが名乗りを上げた。スティーブ・ウィン会長(75)は、カジノ色を薄めて事業を拡大し「ラスベガスを変えた男」とも称される。日本、関西でもその手法は有効とみている。(牛島要平)

おもてなしと「三方よし」

 「ウィンは世界的なおもてなし企業です」。7月14日、大阪市内で記者会見したウィン・リゾーツのマーケティング担当幹部、マイケル・ウィーバー氏は強調した。「ウィンの理念は『人を幸せにできるのは人だけ』。どんなに立派なホテルやレストランをつくっても、サービスこそ事業の中核。人と人の交流を重視しています」

 スティーブ・ウィン氏が2002年に設立した同社は、05年にラスベガスに開業した「ウィン・ラスベガス」のほか、中国・マカオでIRを展開する。IR事業について日本で記者会見するのは初めてだ。

 ウィーバー氏は「おもてなしは日本文化の中にもある。日本におけるIR開発の中で最もエキサイティングな部分です」と訴えた。

 従業員離職率が低く、地域社会の投資に貢献し、ビジネスでも高い評価を受けているとして、関西の伝統的な商人文化「三方よし」と共通すると説明。大阪進出への強い意欲を示した。

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