横浜市長選で自民、公明両党が推薦する現職の林文子氏が3選を確実にし、東京都議選、仙台市長選の連敗をストップさせた自民党内に安堵の声が広がった。民進党が事実上の分裂選挙で与野党対決の構図に持ち込めなかったことに救われた側面もある。
横浜市を地盤とする菅義偉官房長官(衆院神奈川2区)は30日夜、記者団に「自公推薦の現職候補が圧倒的な差をつけて勝利する状況にホッとしている」と表情を緩めた。勝因については「待機児童対策など2期8年の(林市政の)実績が評価された」と述べた。
自民党の鈴木馨祐党青年局長(同7区)も30日、産経新聞の取材に「この勝利は大きい。政府・与党への厳しい声を感じたが、連敗の流れを止めるきっかけにしたい」と強調した。連立を組む公明党の上田勇党政調会長代理(同6区)は「現職の実績に評価をいただいた」と述べた。
民進党は旧民主党市議らが林氏を支援する一方、横浜市を地盤とする江田憲司代表代行らが元横浜市議の伊藤大貴氏を支援した。伊藤氏と元衆院議員の長島一由氏は、ともにカジノ誘致反対を唱え、江田氏は30日夜、記者団に「カジノ反対で候補を一本化できなかったのが敗因だ」と述べた。