「野田版 桜の森の満開の下」 勘九郎、続けるためいい作品に

「納涼歌舞伎の中心だった父(中村勘三郎)や(坂東)三津五郎さんが不在なのが不思議な感じ」と話す中村勘九郎(寺河内美奈撮影)
「納涼歌舞伎の中心だった父(中村勘三郎)や(坂東)三津五郎さんが不在なのが不思議な感じ」と話す中村勘九郎(寺河内美奈撮影)

 夏の歌舞伎座(東京都中央区)恒例の3部制「八月納涼歌舞伎」。実験的演目や若手の活躍が見られる人気興行だが、今年の目玉は第3部、中村勘九郎(35)主演の「野田版 桜の森の満開の下」(野田秀樹作・演出)だ。勘九郎は「父(亡き中村勘三郎)と野田さんの出会いでいろいろな歌舞伎が生まれた。続けるためにもいい作品にしなければ」と意気込む。

 勘三郎さんと野田のコンビは過去、「野田版 研辰の討たれ」など歌舞伎を3作、世に送り出した。第4弾となる今作は、野田の「劇団夢の遊眠社」時代の人気作を歌舞伎化する。

 勘九郎は十代の頃、野田のワークショップに参加し今作を知った。「野田さんが三十代のときの作品ですが、天才です。今回、せりふを七五調にはしていますが、そのままで歌舞伎になる」

 野田が、坂口安吾の同名短編小説「桜の森の満開の下」と「夜長姫と耳男(みみお)」を基に平成元年、初演した作品。天智天皇治世の頃、大きな耳を持つ耳男(勘九郎)ら3人の名人が集められ、夜長姫(中村七之助)と早寝姫(中村梅枝(ばいし))を守る仏像彫刻で競う。仏像完成時、各人の思惑が交錯する-。