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注目の花形歌舞伎俳優・尾上松也「初心と野心を思い出させる」 魅せる自主公演「挑む」8月、大阪

 「自主公演は全部自分たちでやらないといけないので胃が痛くなるほどのプレッシャーがある。でも、僕はいつも危機感を感じていたい。この公演は僕に、初心と野心を思い出させてくれる」

 父の六世尾上松助(まつすけ)は江戸の粋な匂いのする名脇役だったが、平成17年、59歳の若さで亡くなった。「代々歌舞伎の家ではないので、父が亡くなってから僕の立場は微妙になりました。青春時代は、役がつかない劣等感にさいなまれていた」

 最初は女形を中心に修業していたが、数年前から立役(男性役)に変わった。性格的にも男らしく、男性の役の方がしっくりきた。その頃から、恵まれた容姿や歌唱力を生かしてミュージカル「エリザベート」をはじめ、ドラマやCMなどに出演。若手歌舞伎俳優のリーダー格として人気に火がついた。

 同時に、歌舞伎でも主役や大役がつくようになる。「義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)」の悲劇の武将、知盛(とももり)、「弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)」の女装の盗賊、弁天小僧菊之助…。「父が生前できなかった役を僕がやらないと意味がない。父はうれしいと同時に悔しがっているだろうと思う。でもそれが、僕の父への親孝行」