総合球技場、山梨知事「小瀬が適当と判断」 リニア新駅南「自由度狭まる」

 後藤斎知事は27日、臨時の記者会見を開き、甲府市内に整備する総合球技場の建設地を小瀬スポーツ公園(小瀬町)内に決めたと正式に発表した。収容人員は約2万人。これまでの検討で小瀬と、平成39年開業予定のリニア中央新幹線新駅南側(大津町)が最終候補となっていた。知事は小瀬の決定理由について、「新駅南側だと『リニア環境未来都市』で進める産業振興などの自由度が狭められる」と述べた。

 決定した総合球技場の建設場所は、小瀬スポーツ公園南端の第3駐車場を中心とするエリア(約9万平方メートル)。このうち球技場本体は約3万平方メートル、駐車場が約6万平方メートル(約2千台分)となる。

 知事は小瀬決定について「メリットと課題を精査・比較し、適当と判断した」と述べた。県内には、リニア駅直結の総合球技場を整備することで集客増などを期待する声も多かった。これに対して、知事は新駅南側だと敷地が、県が整備するリニア環境未来都市の観光交流・産業エリアと「6割以上重なる」と指摘した。

 また、小瀬の周辺住民に待望論が多いのに対し、大津町などの住民からは騒音や交通渋滞を懸念する声も出ており、知事は「地元のさまざまな思いを総合的に勘案した」と述べた。

 さらに、新駅南側だと用地取得費が「小瀬の約1・8倍になる」とした。

 小瀬の課題として、リニア新駅とのアクセスが指摘されてきたが、知事は「新山梨環状道路東部区間の供用開始で、両候補地の差異はほとんどなくなる」と強調。リニア新駅-小瀬間の所要時間は車で、現在の約15分から約5分に短縮されるとした。

 県は今秋にも、事業費や収支計画を含む整備基本計画の策定に向け、有識者による検討会議を設置する。知事は「県民負担の最小化と利用の最大化を図りたい」と述べた。

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 県は発表に先立ち、県議会の全員協議会で決定を説明した。事業費や運営収支の見通しが一切示されなかったことに対し、一部の議員が「新設の是非を判断できない」と県の対応を批判した。