幻の作品見つかる 不染鉄展で来月から公開

不染鉄の新たに見つかった作品「海村」(寺河内美奈撮影)
不染鉄の新たに見つかった作品「海村」(寺河内美奈撮影)

 郷愁を誘う風景を壮大かつ緻密に描いた日本画家、不染鉄(ふせん・てつ)(1891〜1976年)の初期の傑作で、長年所在不明となっていた絵画「海村」が、このほど広島県尾道市内の民家で見つかった。東京ステーションギャラリー(東京・丸の内)で開催中の「没後40年 幻の画家 不染鉄」展で8月1日から公開される。

 縦195センチ、横192センチで二曲屏風に仕立てられている。大正12年、関東大震災のため中止された帝展の代わりに大阪で開催された「日本美術展覧会」で、首席入賞を果たした作品だ。

 東京の寺に生まれた不染は、日本美術院の研究会員となるなど画家を志すが、20代前半から3年間、写生旅行先の伊豆大島と式根島に滞留し漁師同然の生活をしたという。その後、京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)に入学し、帝展入選など高く評価を受ける。「海村」は31歳の不染が同校を首席で卒業する頃に描いたとされる。

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