鳥取連続不審死

「最後ぐらい、謝罪あっても…」死刑確定する上田被告に、遺族のやるせなさ今も

 鳥取連続不審死事件で男性2人への強盗殺人罪などに問われた元スナック従業員、上田美由紀被告(43)の上告審判決で、最高裁第1小法廷(小池裕(ひろし)裁判長)は27日、「強固な殺意に基づく計画的で冷酷な犯行。刑事責任は極めて重い」として、被告の上告を棄却した。1、2審の死刑判決が確定する。

 「安心した。いい報告ができる」「真実に向き合ってほしい」。事件から約8年、被害者の遺族らは同日、鳥取市内で記者会見し、「長かった」と苦悩の日々を振り返った。

 1、2審判決によると、上田被告は借金返済などを免れるため、平成21年4月にトラック運転手の矢部和実さん=当時(47)、同年10月に電器店経営の円山秀樹さん=同(57)=にそれぞれ睡眠薬を飲ませ、鳥取県の海と川で溺死させた。

 会見で円山さんの長男、弘幸さん(43)は、上田被告の死刑が確定することになったことに対し「予想はしていたが、ほっとした」と話した。形見の仕事道具を捨てずに残し、思い出に触れているという。最後まで一貫して無罪を主張した上田被告には「もう今更ごまかしても仕方がない。最後の最後ぐらいは(罪を認め)謝罪があってもよかったのに」と憤った。

会員限定記事会員サービス詳細