東京・下町の夏の夜を彩る風物詩「隅田川花火大会」。2020年東京五輪・パラリンピックを3年後に控え、警備や交通規制を担当する警視庁は、台東区と墨田区にまたがる会場で29日(荒天時順延)に開かれる今年の大会を「五輪に向けた試金石の一つ」と位置付けている。複数の新たな取り組みを実施するほか、テロ対策や外国人見物客への対応も強化する。
隅田川花火大会には例年多くの見物客が訪れており、昨年は約96万人が夜空に咲く大輪に見入った。一方で、相当な混雑が発生するため、警視庁の対応も問われることになる。
警視庁は、東京五輪と花火大会が(1)大規模な警備や交通規制が伴う(2)外国人観光客が多く訪れる(3)真夏に開かれる-など類似している点に着目。今大会を新たな装備品のテストや五輪に向けた課題の洗い出しなどにもつなげる考えだ。
具体的には、警備係員に新開発した「冷却ベスト」を着用させる。ベストには脇の下と首周辺に保冷剤を取り付けるポケットが付いており、動脈を冷やして体温を下げ、酷暑下での活動の負担を軽減させる。