主張

出光の大型増資 企業価値を高める再編に

 昭和シェル石油との合併を目指す出光興産の経営陣と、これに抗する創業家の対立が新たな局面を迎えた。

 出光経営陣が大型増資に踏み切り、創業家側の「拒否権」が行使される懸念はなくなった。

 これにより、昭和シェルとの経営統合は大きく前進することになる。

 国際的な競争が加速する中で、日本の石油業界も再編は避けて通れない。円滑に統合を実現してもらいたい。

 出光経営陣は、海外事業への投資や借金の返済に充てるとして、公募増資で株式市場から約1200億円を調達した。

 これによって発行済み株式は約3割増え、創業家の持ち株比率は34%から26%ほどに下がったとみられる。

 合併には株主の3分の2の賛成を要するが、創業家は単独で否決することができなくなった。

 これに対し、創業家は新株発行の差し止めを求める仮処分を東京地裁と高裁に求めたが、いずれも退けられた。

 地裁の決定は資金調達の必要性を認める一方、増資には創業家の持ち株比率を下げる目的もあったと指摘した。つまり、経営陣の主張が全面的に支持されたとは言い切れない。

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