インバウンド(訪日外国人客)らの急増で混雑する京都市バスについての課題解決策を検討する市の有識者懇話会(座長=土井勉・大阪大特任教授)が24日開かれた。市は、市バスなどを利用できる「1日乗車券」の価格を現行の500円から600円へ100円値上げする改定案を提示し、出席委員の了承を得た。市は今回の価格改定案を8月に市会へ報告した後、正式決定する考え。価格改定は来年3月から実施する方針。
「市バス・京都バス1日乗車券カード」の価格改定は平成12年以来約18年ぶりとなる。市側は当初「700円」の案も示したが、懇話会の委員から「バスを3回乗れば元がとれる価格を」という意見が多く、600円の価格設定に落ち着いた。
一方、バスだけでなく、市営地下鉄も利用できる「京都観光1日(2日)乗車券」は現行の1200円(2日は2000円)から900円(同1700円)へ値下げする。こちらの価格改定は6年以来約24年ぶりになる見通し。
こうした価格改定について、市交通局は「料金の適正化を図るほか、観光客らを地下鉄へ誘導し、バスの混雑緩和を図る狙いがある」と説明している。
市は今回の価格改定で、市バスの1日当たりの乗客は現在より5500〜9300人減り、混雑緩和に効果があると試算。一方、地下鉄を含む年間収支は現在より約2・3億〜約4・2億円程度の増収になると見込んでいる。増収で得た財源は「バス・地下鉄の輸送力増強やサービス改善にあてる」(交通局)としている。