「慰安婦」日韓合意

慰安婦はもはや韓国の国内問題 日本は着実かつ誠実に履行

日本大使館前に設置された慰安婦像=韓国・ソウル(川口良介撮影)
日本大使館前に設置された慰安婦像=韓国・ソウル(川口良介撮影)

 【ソウル=名村隆寛】慰安婦問題をめぐる日韓合意に従い、韓国政府は元慰安婦の支援を目的とした財団を1年前に設立し、日本政府の予算で10億円が拠出された。合意時に生存していた元慰安婦47人のうち36人(約77%)が1人当たり約1億ウォン(約1000万円)の現金を受け取り(申請も含む)、故人199人の遺族らのうち65人が約2千万ウォンを受け取り済みだ(同)。

 また、日本政府は合意で、安倍晋三首相による元慰安婦の女性全員への「おわびと反省の気持ち」を表明した。首相のおわびと資金拠出の「着実な実施」を前提に、韓国政府は慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した。日本政府は韓国との合意を守り着実に履行してきた。

 合意から1年7カ月。韓国では、財団を通した現金支給など元慰安婦支援事業が進行中だが、同時に、合意の不履行や合意の精神に反することが続いている。典型が、ソウルの日本大使館と釜山の日本総領事館の前に置かれた慰安婦像だ。

 大使館前の像について韓国政府は「日本政府の懸念を認知し、適切に解決されるよう努力する」と約束した。それなのに、合意1年の昨年12月には釜山に新たな慰安婦像が設置された。

 いずれも、外国公館前での侮辱行為を禁じたウィーン条約に反し、日韓合意の精神を踏みにじるものだ。しかも、地元自治体が今や保護している。これが韓国の実情であり、事態は改善どころか悪化している。

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