主張

伊方停止却下 原発再稼働の流れを保て

 松山地方裁判所は、昨年8月に再稼働した四国電力伊方原子力発電所3号機(愛媛県)に対し、同県の住民が運転差し止めを求めた仮処分の申請を却下した。

 「3号機の安全性等について新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の調査審議および判断の過程に看過し難い過誤、欠陥はない」として住民らの主張を全面的に退けた。理にかなった司法判断である。

 伊方原発の安全性は、地裁の場で2回連続で認められたことになる。広島地裁も同様の仮処分の申請を3月30日に却下している。

 福島事故の教訓を踏まえ、抜本強化された原発の新規制基準と安全審査への司法の理解が深まりつつある証左と受け止めたい。

 大津地裁が関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の運転差し止めを命じる仮処分を下したことで、両機が1年余にわたって止まるという前代未聞の事態が起きたのは、昨春のことだ。

 だが、この仮処分も3月28日に大阪高裁で取り消され、今は2基とも発電に復帰している。

 6月には九州電力玄海原発3、4号機の運転差し止めの仮処分申請を佐賀地裁が却下している。こうした理性的な判断の潮流の定着を望みたい。

 気になるのは3・11後、仮処分が反原発運動に重宝な闘争手段として使われる傾向を強めている点だ。簡略な司法手続きで進められ、かつ決定が即効性を持つ仮処分の特性が利用されている。

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