法律の空白地帯、不当契約待った 芸能人・スポーツ選手の労働環境改善へ 公取委、独禁法適用も視野

 NHK連続テレビ小説「あまちゃん」で主人公を演じた女優、のん(能年玲奈から改名)さんや、女優の清水富美加さんら、所属事務所との対立が表面化するケースも相次ぐ。

 女優の田中絵瑠さん(24)は「以前所属していた事務所とつながりのあるプロデューサーから圧力がかかり、仕事に影響したこともある」と打ち明ける。

優越的地位の乱用

 事務所側が一方的に所属タレントに不利になるような条件を設定することは、強い立場を利用し取引相手に不利益を強いる独禁法の「優越的地位の乱用」に抵触する可能性がある。公取委が認定すれば、排除措置命令や課徴金納付命令の対象にもなる行為だ。

 ERAの立ち上げを呼び掛けた佐藤大和弁護士は「芸能人は事務所と対等の関係にあるはずなのに、実際は過度に制限された契約が多い」と指摘する。

 企業と雇用契約を結ぶ従業員は労働基準法などの労働法で保護されている。一方、フリーランスの人は企業と対等な関係で仕事を請け負う契約を結んでおり、独禁法の対象となるが、労働分野への同法の適用はこれまでほとんどなかった。

 公取委の杉本和行委員長は「芸能事務所と芸能人の関係やプロスポーツ界における選手と球団の関係についても、独禁法を適用すべきなのかどうかという議論があるべきだったが、これまでグレーエリアで、対応していなかった」と話す。