主張

トランプ政権 真の「国益」を見失うな 日本も共に国際秩序支えよ

政権運営の安定を急げ

 見透かしたように、中国は南シナ海の大半に主権が及ぶとの根拠のない主張を改めず、岩礁を埋め立て軍事拠点化を進めている。

 米国もまた、現在の国際秩序の受益者であることを、失念している。国益の追求を実践する上で、アジア太平洋の平和を維持することは欠かせないはずである。

 中東など世界各地で「警察官」の役割が求められていることにも、応えてもらいたい。

 公約の目玉だったメキシコ国境沿いの壁建設や、医療保険制度改革(オバマケア)の見直しは一向に進んでいない。発想が一面的で政策論として熟していなかった証左だ。政権内人事は大幅に遅れ、国内政治の混乱も残る。

 とりわけ、昨年の大統領選に介入したロシアとの癒着疑惑「ロシアゲート」は重大な懸念である。トランプ氏の支持率は40%未満と低迷している。安定した政権運営への努力は不十分である。

 トランプ政権の発足後、日米関係は良好なスタートを切った。安倍晋三首相とも会談を重ね、意思疎通は図られている。だからこそ、首相にはトランプ氏への反発を強める欧州首脳らとの仲介役が期待された。

 先の20カ国・地域(G20)首脳会議で、国際的な連携を軽視するトランプ氏の姿勢をたしなめるのは難しかった。だが、努力をやめてはなるまい。日本の生き残りには、欧州諸国やアジア諸国と普遍的価値観を共有し、連携していくことが不可欠である。

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