主張

トランプ政権 真の「国益」を見失うな 日本も共に国際秩序支えよ

 TPPには、日米やアジア太平洋の諸国が、新たな貿易ルールの下で経済の活性化を図る意義が込められていた。

 米国が離脱した今、何が起きているか。中国の習近平国家主席が「開かれた市場」の担い手として旗を振る。経済や貿易への露骨な介入を改めない独裁国家が、そう振る舞う倒錯した状況がある。

 中国の現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」には、経済、軍事両面での覇権主義を強める懸念がある。それでも、巨大な経済力に多くの国が吸い寄せられる。トランプ政権の独善的な行動が、助長している面も否めない。

 戦後、日本を含む自由主義諸国は、米国の経済力、軍事力の存在を前提に復興し、繁栄を享受してきた。日米同盟や北大西洋条約機構(NATO)がそうである。

 大きな懸念は、孤立を強める米国に、外交、安保で指導力の発揮を求められなくなることだ。

 核・ミサイル開発を進める北朝鮮に対し、トランプ政権は武力行使を含む「全ての選択肢」を掲げて、北朝鮮経済に打撃を与えうる中国企業への二次的制裁にも踏み切った。その強い姿勢自体は評価できよう。

 だが、肝心の中国は北朝鮮に影響力を行使しようとしない。そんな中国に圧力をかけようにも、今のトランプ政権は国際社会の力を結集できない。

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