神明が雪国まいたけに出資 株式49%取得、事業領域を拡大

 コメ卸売最大手の神明(神戸市)は21日、キノコ生産販売大手の雪国まいたけ(新潟県南魚沼市)に出資すると発表した。投資額は数十億円程度で、9月上旬ごろに、全株式を保有する米投資ファンドのベインキャピタルから49%の株式を取得する。コメの国内消費の減少に対応するため、食全体に事業領域を広げる。

 雪国まいたけは不適切会計処理や内紛で経営が混乱し、平成27年にベインが買収し経営再建を進めてきた。ベインは神明への株式売却後も51%の株式を保有し、3〜4年以内をめどに雪国まいたけを再上場させることも視野に入れる。

 神戸市で記者会見した神明の藤尾益雄社長は「コメの取引で幅広い取引先を持っており、(雪国まいたけの製品の)販売ルートをしっかり広げたい」と強調。同席した雪国まいたけの足利厳社長は、現在は新潟県内にしかない工場を将来的に西日本にも設ける考えを表明した。

 神明は青果卸売りや水産加工会社の買収も進めるなど事業拡大を図っている。今回の出資を通じ、神明が資本提携している居酒屋チェーンのワタミなどにキノコ類を提供するほか、自社の販路を通じた海外への輸出などを行う。

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