エスカレーター事故後絶たず 負傷や巻き添え死も…

 エスカレーターでショッピングカート、ベビーカーなどによる事故が頻発し、平成23〜27年の5年間に東京都内で計6724人が救急搬送されていたことが22日、分かった。今月10日には高松市内の商業施設で、車いすが転倒し、女性(76)が巻き添えで死亡する事故も発生した。再発防止に向けた取り組みが進むが、あらためて利用者のマナーも問われることになりそうだ。

 東京消防庁によると、27年に搬送された1416人のうち、9割以上がバランスを崩して転んだり、転落したりして負傷。82%が軽症だったものの、重症が9人、重篤も1人いた。

 これまでの搬送者のなかには、0歳の男児を乗せたベビーカーが転倒し男児が軽傷を負ったケースや高齢女性がショッピングカートごと転落したケースもあったという。

 また、大阪市消防局によると昨年、救急隊が出動したエスカレーターでの事故は290件。ここ数年は300件前後で高止まりしている。

 今月10日の事故では、車いすでエスカレーターに乗った高齢夫婦が転倒し、後ろにいた女性が巻き添えで死亡した。

 国土交通省によると、車いすでのエスカレーター利用は法令上、規制されていないが、製造メーカーなどでつくる「日本エレベーター協会」(東京)によると、段差でつまずいたり、重さを支えきれずに転倒したりする危険性があるため、利用を想定していないという。

 百貨店や商業施設では車いすでのエスカレーター利用を原則禁止としているところが多いものの、現実は車いすで利用する人が後をたたない。福祉関係者によると、その背景には、車いす利用者がエレベーターを利用したくても混雑して使いづらかったり、十分な数が設置されていないといった事情もあるという。